油圧システムに投資し、それを最大限に活用したいと考えています。 機器への依存度とその使用レベルに応じて、ニーズに最適なメンテナンス方法を選択することをお勧めします。 油圧オイルのメンテナンスをしっかり実施するよう徹底してください。 流体を良好な状態に保つことで、機器の性能を最大化できます。 油圧オイルのメンテナンス計画をどこから始めればよいかわからない場合でも、恐れることはありません。
ドナルドソンは、100年以上にわたってフィルトレーションの専門知識を蓄積しており、実際に経験を積んでいます。 油圧オイルシステムの原理とメンテナンス方法について説明します。 説明を聞いていただくと、知識を得た上で油圧オイルの点検記録シートに記録することができるようになります。
油圧オイルのメンテナンス作業や定期交換の煩わしさを回避し、システムが突然停止した時には整備士に任せっきりという状況も存在しますが、 実際は、そもそも問題を防ぐために時間やリソースに投資し、多少の努力を惜しまないでいる方が費用効果が高く、問題も少なくなります。
メンテナンス方式によって、費やすコストと労力のレベルはさまざまですが、すべてが同じ成果をもたらすわけではありません。 油圧オイルのメンテナンスを実施する際は、次の4つのオプションの中から、メンテナンス要件とリソースにおいて最もバランスの取れた最適なものを検討してください。 計画的、予防的、予測的、または反応的。 それぞれを詳しく見ていきましょう。
油圧システムは定期的な点検が必要となります。 機器メーカーのガイドラインでは、特定のコンポーネントをチェック、交換するにあたって、最良の頻度を推奨しています。 こうした詳細事項は、油圧メンテナンスのハンドブックに記録していきます。 こうした情報を活用することで、事前に計画を立て、定期的なダウンタイムをスケジュールすることができます。 社内で油圧オイルのメンテナンスを実施する場合は、必要な部品がすべて揃っていること、整備士が必要な油圧メンテナンスのトレーニングを受けていることを確認してください。 外部のリソースに委託している場合は、事前に予約してください。
油圧オイルのメンテナンスを計画的に実施して、機器を可能な限り最適な状態に保ちます。 オイルの交換やフィルターの交換を決まった日付に実施することで、定期メンテナンス前後の事業計画を策定することができます。 予定外の問題を防ぐことで、コスト削減を実現するだけでなく、気持ちのゆとりにもつながります。
油圧オイルの計画的メンテナンスによって、システム性能が最適化されるという利点がありますが、時間と費用の面でコストがかかる可能性があります。 グリッチや故障を最小限に抑えて最高の状態で機械が稼働している場合、機器の運用価値を最大限に活用しているといえます。 ただし、定期的ダウンタイムにはコストが伴います。停止することなく正常に動作している機械であれば、メンテナンスは不要だと思いたくなるかもしれません。 油圧オイルの計画的メンテナンスは、問題発生時に対処する場合と比べて費用が高くなることがあります。
予測可能な生産稼働時間が最優先事項である場合、通常は計画的メンテナンスが最良の選択となります。計画メンテナンスや定期的メンテナンスを実施する方が、予期せぬ機能停止に対処するよりも簡単です。 油圧オイルの計画的メンテナンスを実施しないと、壊滅的な障害や計画外ダウンタイムが発生し、オペレーション全体が停止してしまう可能性があります。 計画的メンテナンスの妥当性に納得できない場合は、予防的または予測的なアプローチの採用を検討してください。
計画的メンテナンスのスケジュールを導入することに踏み切れない場合、次の代替案をご検討ください。油圧オイルの予防メンテナンス。 このメンテナンスでは、機器とその性能をモニタリングします。ある程度の劣化は許容しますが、損傷が故障のしきい値に達する前に対処します。
たとえば、次のシナリオについて考えてみましょう。 機械のスタックバルブ1箇所から小さな漏れがあるとの報告を従業員から受けています。 あなたはその影響について考えます。 現時点では、かなり微量の漏れのように見えますが、問題に対処せずに気密性が失われると、油圧オイルが流れ出し、大惨事を引き起こす可能性があります。 数日間にわたってモニタリングして、状況がいかに急速に展開していくかを確認します。 この問題に今日対処する必要はありませんが、実行すべき作業リストに「バルブシールの交換」を追加し、機器の稼働を数日間にわたってモニタリングした結果を踏まえて、今後の油圧オイルのメンテナンス計画を策定します。 メンテナンス予定日が近づいてきたら、実行すべき作業リストに今から追加できる項目を検討して一斉に対処する準備を整えておくことで、シャットダウンの回数を抑えることができます。
すでに修理を行っているため予想寿命の限界に到達した、または限界に迫っているコンポーネントに関しては、交換時を利用してメンテナンスを実施することもできます。 こうした情報は、油圧メンテナンスの点検記録シートで追跡する必要があります。 平均余命が1,000時間未満のポンプにおいては、交換するためだけに、1か月強でシステムを再度シャットダウンする必要が生じる場合があります。 ポンプがインフラの重要な機械上にある場合、2回目のシャットダウンは大きな問題になる可能性があります。 こうした状況においては、機器がすでにオフラインになっている間に交換してください。
定期的または断続的に計画されたメンテナンスを実施できない場合はどうなりますか? 油圧オイルの予測メンテナンス機器の性能をモニタリングし、証拠を分析し、問題のひっ迫状況について情報に基づいた判断を下します。 油圧メンテナンスの点検記録シートにメモを残して、傾向を把握してください。 故障が発生する前に油圧オイルのメンテナンスを実施することで、差し迫った問題の最初の証拠がありますが、時間(システムの稼働時間とメンテナンス作業の両方)とコストを節約できます。
次のシナリオを検討してみましょう。 通常、油圧フィルターアセンブリーの差圧ポートでは、流体がフィルターエレメントを通過するときに発生する背圧が表示されます。 この圧力は、油圧オイルによって運ばれる汚染物質がフィルターメディアに蓄積し、油圧オイル自体の通過を妨げるため、時間の経過とともに増加します。 フィルター内の圧力がフィルターのバイパスバルブ定格を超えると、フィルターを保護するためにバルブが開きます。そのため、流体はスムーズに流れますが、フィルタリングは行われません。
背圧をモニタリングすることで、フィルターメディアにどの程度の汚染物質が蓄積されているのかを測定することができ、 シンプルなポップアップインジケーター、アナログトランスデューサー、または圧力計を取り付けることで測定可能です。 背圧がフィルターのバイパスバルブ定格に近づいたら、フィルターの交換時期となりますは。 この予測戦略を駆使することで、必要ではない段階で部品交換を行う手間とコストを回避できますが、スムーズに進めるために急いでメンテナンスをスケジュールしなければならない場合があります。
油圧オイルのメンテナンスに対する最悪のアプローチは事後メンテナンスであり、 誰もが避けるべき戦略です。 慎重に実施している定期メンテナンスとは反対に、油圧オイルの事後メンテナンスは、機器の使用率が低い、または断続的である、もしくは、定期メンテナンスの実施時期や実施方法の知識を有する者がいない状況下において導入されています。 問題に対処することなく、コンポーネントが完全に故障するまで待つといった行為は、コストもかさみ、絶対に避けなければいけません。
油圧オイルの事後メンテナンスが頻繁に実施されていることは驚くべき状況です。 スペア部品のメーカーや自動車修理工場では、フィルターを定期的に交換するのではなく、修理に何千ドルも費やして満足している顧客もおり、当然のことながら彼らに不満を言うことはありません。 また、高品質のタンクブリーザーに数百ドルを費やす手間をかけたくない顧客がいる限り、石油供給業者は毎年380リットル/200ガロンのオイルを供給でき、彼らにとっては喜ばしい状況です。 手間とコストを節約しましょう!
油圧オイルのメンテナンス状況は進化しています。 当社は近年、インダストリー4.0およびIIoT(産業用のモノのインターネット)と連携しています。 (メーカーのガイドラインに従って)10万稼働時間後にポンプを盲目的に切り替えるよう計画する代わりに、予知保全を活用して、コンポーネントの故障から1日以内に当該作業を実行できる可能性があり、時間的にも余裕ができます。
ポンプの温度とケースのドレインラインのフローをモニタリングする技術はすでにあり、どちらも通常は摩耗によって増大します。 ポンプのベアリングの振動もモニタリングしてください。ブローアウトのひっ迫状況をしっかりと表示することができます。 しかし、ここでは、時間のかかる手動モニタリング、分析、予測について説明します。 さらに一歩進んで、これらのセンサーをスマートデバイスに接続できるとしたらどうでしょうか。 スマートデバイスに接続することで、高度なソフトウェア、さらにはAIを利用して、機器のモニタリングを引き継ぎ、人間の介入が必要になったときにアラートを送信することができます。
これらのオプションを比較検討し、機器の使用率を検討するときは、情報に基づいて、機器とビジネスに最適な戦略を決定してください。 問題発生時に、非常事態計画を立てて、問題に対処したいとお考えですか? それとも、安全策を取り、新しい機器を試運転したその日にスペア部品を注文し、整備士のメンテナンスシフトを組みたいとお考えですか? 今日、油圧メンテナンスの点検記録シートにどのような確認事項と推奨手順を書き込みますか?